laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

秘密兵器。

  桜の花が満開を迎えた仙台だが、海の中はまだまだ冷たい。気候の変動が激しい今年は特にそう感じる。 「ふらっと」のブログ交差点に最近新たに加わった「波乗三昧なブログ」が、最新の長期予報と題して、とても気になる情報を載せていた。いわく、「宮城県沖の海水温が平年より5℃前後低い」。どうりで今年の春の海水は冷たいなと思った。本格的な春の到来を待ちわびている浜辺の遊び人、サーファーたちにはちょっとショックなニュースです。

 この3月まで4年間ホームポイントとしていた秋田市は、仙台市より北に位置して寒いイメージが先行しがちだが、実際の海の中では逆なんです。それは近海を流れる暖流の影響で、秋田の海は、寒流が流れる仙台の海より水温が高い。通常、1度前後、時に2、3度ぐらいの差がある。直接肌で感じると、たった1度でもかなり違うんです。良かったら、どうぞお試しください。
 とはいえ、秋田だろうが仙台だろうが、冬は冬。寒いことは寒い。
  「それを我慢するのが真のサーファーだ。冷たいと思うから冷たい。波にもっと集中しろ」。
 20年以上前、高価な冬用ウエットスーツを買うことができなかったお金はないけどやる気と暇な時間だけはたっぷりあった若いサーファーたちは、そんなことを言ってはやせ我慢していた。挙句の果て、寒さに負けて風邪をひき、「風邪を治すには海に入るのが一番いいんだ」とこれまたわけの分からない理由をこじつけては海に入り、さらに風邪をこじらせしばらく床の上の人になっていた。バカでした、本当。まっ、今でもバカなんですけど。

 時代は大きく変わった。自分たちが言っていたことが化石と思えるほどに冬用ウエットスーツの機能性は格段に向上した。いまだにお金に余裕のない自分は手に入れてないんですが、東北の海ではドライスーツが主流。外側ラバー、内側起毛の基本素材で作られたこの「秘密兵器」は、水を中に入れない。まぁ、首から少しは水が入ってくるけど、無茶な動きをしなければ、水の進入を最低限に抑え、これまで通常だったラバーあるいはラバー&ジャージのフルスーツで1時間持ちこたえていたところを、数時間は余裕で寒さをこらえることができる。すごいでしょ、これ?俺も早く欲しいんです!。
 ただ、ひとつだけ大きな問題点があります。このドライスーツをいったん着たら、脱ぐまでトイレに行けないんです。
 ん?
 当然、そこで疑問が生まれたと察します。ドライスーツじゃないサーファーの場合はどうなんだ、っと。それは、ご想像にお任せします。でも、ここだけの話。 「結構、癖になるんです」。
 この癖のとりこになった往年のサーファーたちは今、こぞってドライスーツを着込み、防寒に優れた襟首まですっぽり覆うタイプのキャップとこれまた機能性に優れた手袋をはめ、完全防水状態で沖に向かっている。これが厳寒の海でのサーフィンの最終形と思いきや、どこの世界にもつわものはいるもんです。これにプラスした最終兵器があった。見た目には全く分からないけど、本人がついもらしてしまった言葉や知人からのタレコミでなんとなく面が割れている。この最終兵器の使い手を、ごくごく少数の仲間内ではこう呼んでいる。
 「パンパースさん」。
 これもまた、癖になるそうです。 


[注]
写真㊤:宮城、福島両県境にある「又屋前」。ほかがクローズした時が狙い目の昔からのポイントは今、人気が高い。

写真㊦東北の冬サーフィンの強い味方、ドライスーツ。これにキャップと手袋で完全防備