laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

横断歩道の憂鬱。

 
 この3月まで4年間暮らしていた秋田市のマンションから徒歩1分ほどの至近距離に、地元のスーパーがあってかなり重宝していた。ところがそのスーパーに行くには、ひとつの関門を越えなくてはいけなかった。大げさに言えば、の話なんですが。
 片側1車線の道に設けられた信号機のない横断歩道が、スーパのすぐそばにある。住宅街にありながら結構交通量が多い道路なので、横断には大人といえどかなりの注意を要する。左右確認。車が向かって来ていないことをきちんと確認してからさっさと渡りきらないと、せっかくのチャンスをみすみす逃すことになる。そんな当たり前のことが、この横断歩道では特に重要だった。横断するのを歩道で待っていても、十中八九、車は止まってくれない。タイミングを誤って無理に渡ろうとすれば危うく車にひかれそうになる。危ないんです。集中力と瞬発力が必要なんです。
 わずかな期間の生活体験で言うのも何だとは思うのですが、あえて言います。
 「秋田市の交通マナーは悪い」。
 偶然、河北新報夕刊「河北抄」(4月17日付)でも書いていたが、とかく「仙台の交通マナーは東北最悪」といわれているらしいけど、いやいやどうして、秋田も忘れてもらっちゃ困ります。あのスーパー前の横断歩道で、車のほうから道を譲ってくれたことは、4年間で少なくとも数えるほどしかなかった。それでも、その横断歩道を渡らないことには目的のスーパーに行けない。行き帰りの道はとても憂鬱な気分だった。これも、大げさに言えば、なんですが。
 車が止まってくれないのは、人相の悪い自分のせいなのではないかと考えた時もあった。が、どうやらそうでもないらしい。親しくなった地元の人たちがこう口をそろえたからだ。
 「えっ? 普通、わざわざ(横断歩道前で)止まらないでしょう。人が道路を渡っていたら別だけど、車は走っているんだから」
 2、3人というレベルではない。10人以上がそう言った。どうなっているのでしょう、これは?歩行者優先の原則が、秋田ではないがしろにされているのか。
 っと、ここまでごくごく私的な思いをもっともらしく書いてしまったが、同じような経験をされた方、心当たりのある方はご連絡願いたい。個人的には、特有の交通マナーというのはどこの街でも国にでも存在すると思っている。仙台ばかりが東北最悪と指摘されるゆえんはない。
 とはいえ、仙台に戻ってもうすぐ1ヶ月。「横断歩道の憂鬱」はめっきり少なくなったが、「ハンドルを握る緊張感」が格段に増えた気がすることは確かだ。