laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

映画私評 NO.1


グラン・トリノ

 アカデミー受賞作『ミリオンダラー・ベイビー』以来、4年ぶりにクリント・イーストウッドが監督、主演を務めた2008年の作品。高齢となってなお実力、人気ともに高い名俳優が指揮を執る最後の作品となるのではという前評判もあり、興行的には成功を収めた〝秀作〟ということになっている。その後の評価も悪くはない。
 「これは期待できるな」。
ゴールデンウークに、ワクワク気分でビデオ鑑賞した。
 結果的に、大きく期待を裏切られた。久々の駄作でしたね、これは。クリントさんファンには申し訳ないですが、自分の友達にはとても薦められる映画じゃない。
 朝鮮戦争を体験した元兵士の気難しい主人公が、隣のアジア系移民一家との交流を通し、自信の偏見に直面して葛藤する姿が描かれる。ベタなストーリーはいいとしても、その核となる自分との向き合い方や隣家との交流の展開が浅すぎて、共感するに至らない。さすが名優だけあってクリントさんの演技は大したものだが、話自体がお粗末では単に名優の名演を見せられているだけにすぎない。クリントさんによる、クリントさんのための映画。それだけだ。残念。
 前評判とは、あまり当てにならないという典型の作品だった。そういえば、『アバター』もそんな感じだったなぁ。

 ◇映画館で見る新作鑑賞も好きだが、DVD作品は手軽だから自宅でよく見る。気になった作品について好き勝手に評価していこうかと思う。あくまで、私評です。鑑賞の参考には決してなりませんので、あしからず。だから、責めないで。