laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

〝同伴出勤〟

今朝、10数年ぶりに妻と一緒に職場に向かった。
失業中の彼女が、今日から職業訓練に通い始めたからだ。平日の朝から夕方まで、びっしりとパソコンの応用技術を学ぶのだという。8月末まで延べ300時間、テキストと黒板(あるかどうかは知らないけど)、PCとにらめっこしながらの学生となる。アナログな自分は、ずるいことに働きながら日々パソコン技術を覚えているが、彼女が学生を卒業する時点で間違いなく追い越されているんだろうなぁ。そうなれば、自分にとってはまた新しい先生が1人増えることになる。「頑張って! 気合入れて技術を習得しておくれ」と言って、地下鉄で別れた。
 何か新鮮な気分ですね、今日は。空は曇り空だけど、また一つ新しい扉を開いたようで。まっ、実際に扉を開いたのは彼女なんですが。
 妻には極力、家に居るだけのいわゆる〝家人〟にはなってほしくない、という思いが昔からある。彼女も同じ思いなので、出産や夫の転勤などで職を辞して専業主婦になったこともあったが、機会があるごと仕事を見つけて働いてきた。娘も夫もそれに対して理解を示し、微力ではあるが支えてきたつもりだ。欲を言えば、妻が夫以上に稼いでくれるとたいへんありがたいのだけど、この時代、贅沢はいえません。でも本音は、多少の報酬を得ること以外に妻が外で自分なりの世界を築いていることのほうがうれしい。
 子育ては当然大切なんだけど、それだけになってしまうと妻は「母親色」だけが強くなり、夫にとっての「女性色」がどんどん薄くなる。夫婦も所詮は他人。相手にとっての最良のパートナーであり続けるには、常に「男」「女」を意識した振る舞いが必要だと思うのだ。そういう姿を子どもはしっかり見ている。はずだ。
 「久しぶりだな、一緒に通勤なんて....」。通勤途中、何も特別な話を交わしたわけではないけど、気持ちはほんのちょっぴり特別だった。