laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

「はい、ごくろうさん。」

先週末、廃品回収業者の青年がうちにやって来た。 
 4月に引っ越して来た時に処分し損ね、機会を見てごみ処理場に持って行こうと考えていたガラクタ品の処分を頼もうと考えたからだ。子どもの頃、新聞とか段ボール、空き瓶なんかを出してトイレットペーパーを頂いていたあの記憶がどこか頭の中に残っていたのかもしれない。甘かった。
 「うちはなんでも引き取りますから。処分は任せてください!」。軽トラでやって来た黒つなぎの彼は、愛想よく元気いっぱいにこう話し、ためてあった品々を値踏みして計算機をたたき始めた。待つこと数分。「う〜ん、結構多いですから、このくらいかかりますね」。そう言われて示された額を見て、「あっ、そういう事ですか」と気付いてしまった。
 エアロバイクにエアコン、筋トレ用具、ブラウン管テレビ、乾燥機を置く台、電気プレート、スキーブーツとストック......。結構な量があるにはあるけど、どうなのよ、52500円って。
 状況が悪いと思ったか、黒つなぎ君、「ですよねぇ、高いですよねぇ。うちはちゃんとまけますから。これの半額でどうですか?」ときた。「十分高い、だめだめ」。そう言うと、「そうですかぁ.......。会社からはあんまりするなって言われているんですけど、今日は直接電話をいただいたわけだし、もう1万円引きます。これでどうでしょう?」。なわけないでしょ、あんた。
 リサイクル券が必要な家電製品もあるから多少の出費は覚悟していたけど、これはやりすぎでしょう。何で廃品を処分するだけで16250円もかかるんだい! ったく、もう。
 黒つなぎ君はしつこく食い下がることはなかったけど、こうやって高いお金を払わされている人もいるんだろうなぁ、と思った。「部品一つ一つを取り外して、場合によってはリサイクル券を買って、きちんと処分するには手間暇がすごくかかるんです」。彼の言葉を鵜呑みにしてしまったら最後、「あぁ、そんなものなのね」と納得してしまいかねない。彼には悪いが、これは悪徳商売に近い。値段もあってないようなもので実にいかがわしい。
 ガラクタとは言ってもまだまだ使えるものばかりで、格安なら買い手もつくだろうことを考えれば.....。これもニッチ産業といえば聞こえはいいが、なんだかなぁ。
 わずか10分程度の彼とのやり取り。商談は不成立となり、早々にお引き取り願った。