laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

今月の言葉。 No.11

 「再犯のおそれがある人を社会全体で見守ることを考えるのもタブーなのか」

 25日の宮城県議会2月定例会の一般質問で、村井嘉浩知事が発した言葉。衛星利用測位システム(GPS)端末を使い、性犯罪前歴者の行動を常時監視する条例の検討をめぐり、遊佐美由紀議員(改革みやぎ)の質問に対し、2回目の反問権を行使した際にこう言った、という。(河北新報26日付け朝刊『みやぎ総合』)http://www.kahoku.co.jp/news/2011/02/20110226t11018.htm

 記事は、執行部側が議員に逆質問する反問権を、村井知事が1年ぶりに行使した議論のやり取りに焦点を当てているが、ともすれば素通りしてしまいそうな村井知事の言葉に、一瞬、釘づけになった。

 なので再録。ちょっと注目してください。

 制定が検討されている条例は、再犯防止のために性犯罪前歴者の行動を常時監視するという内容。一般質問で、村井知事は、「権力による監視」という部分を、「社会全体で見守る」と“言い換えた”。

 無意識なのだろうとみてはいけないと思う。“狡猾な”置き換えで、まったくの詭弁とみた。

 政治家や官僚ら権力を握る側は、時としてこうした詭弁を巧妙に繰り返す。効果的に言葉の中に滑り込ませると、詭弁は詭弁ではなくなり、既定事実として説得力を持ち始める。

 賛否両論大きく分かれる激しい議論だけに、今後もこうした巧みな言葉づかいが随所で現れてくるだろう。実に、興味深い。