laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

No.420 悲しい...。

 今朝、知り合いが亡くなった。

 妻の同級生だった。

 自分は結婚してから、親しくさせてもらった。

 会えばいつも冗談を言い合うような親しみのある彼女は、特に笑顔が素敵でお洒落な女性だった。

 妻が娘を産んでから、ごくごく最近まで、夏と冬、毎年のようにお子さんのお下がりを大量に贈ってくれた。

 彼女の優しい心遣いがあったから、我が家では、娘に服を買ってあげる習慣がほとんどなかった。

 もう、15年ほどになるだろうか。知り合った時から薄々感じてはいたが、思えば、あれがひとつの、いや、大きな死因だったのだと思う。

 旦那さんと、とても不仲だった。

 薄っぺらな状況しか知らない身には、そうしたことに干渉する権利など全くなかったけど、彼女を巡る近況を時折耳にするたび、他人事ながら深くため息をついてきた。

 夫婦の間にできてしまった溝は年々深くなるばかりで、全く光が見えない状況だった。

 そんな時、突然、病魔が彼女を襲った。




 それでも、溝は一向に浅くならなかった。最後の最後まで...。

 何度か見舞いに行っていた妻が、こう口にしていた。

 「旦那さんに対する恨みつらみの話が多いんだぁ...。よっぽどのことだったんだね...」

 「家で最期を迎えたい」と願っていた彼女は、明日、病院から家に帰る予定だった。

 「会うといっそう具体が悪くなる」という旦那さんにはしばらく遠慮してもらい、2人の子どもたちと両親が待つ家に。

 亡くなったこと以上に、恐らく、「私は本当に幸せだった」という気持ちを抱くことなく、まだ若くしてあの世に逝ってしまった彼女のことを想うと...。





 今はもう、煩悩のない静かな世界で、安らかに眠っているはずだ。

 安心して、休んでほしい。

 いままで、本当にありがとう。

 合掌。