laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

気合の押し売り。


  気にしたくなくとも気にせざるをえない状況というのがある。
 
 「こんにちは!」って言われたから、声の主を見てみるとその人はあさっての方向を向いている。第一声に呼応するようにスタッフが次々と「こんにちは!」と声を上げるんだけど、誰もこちらをまともに見ていない。
 「喜んで!」。店内に響き渡るような大声でそう言われても、まだビールをジョッキ一杯しか頼んでいないじゃない。
 「ありがとうございます!」。飲み屋でオーダーを取った人がそう言った瞬間、店の人全員から感謝の言葉をかけられても..........。
 う〜ん、きりがないからやめるけど、こんな場面に、だれもが一度や二度じゃなくてかなりの頻度で遭遇しているんじゃないでしょうか?
 正直、「なんだかなぁ」って思うんですよ。店側にすれば、お客に対する接遇のひとつなんでしょうけど、受け取る側はそう感じない。少なくとも自分は。「勘弁してよ」って思うんです。
 コンビニやマックに代表されるマニュアル通りの接客対応に飽き飽きしている身としては、全く真心を感じない壊れたレコードのような同じフレーズの繰り返しは、ただただうるさいだけの言葉の合唱で、耳障りにすぎない。機嫌が悪い時には、そこに悪意さえ感じてしまう。
 困ったことに、そうした言葉を発する人たちは、何かに取りつかれたように延々と同じことを繰り返していく。スタッフA君が最初に言葉を発すると、その場が一瞬落ち着いたころを見計らってスタッフBさんが違うフレーズで声を上げ、今か今かと待ち構えていたスタッフC君が、遅れを取り戻そうとなお一層甲高い声で声を張り上げていく。
 本を読もうにもゆっくり読めない、ビールを味わおうにも落ち着かない、せわしなさと空虚な感じが場を取り込んでいく。
 彼ら彼女らに共通するのは、一生懸命な自分たちを猛烈にアピールしてくる点だ。「俺たち、私たち、気合入れて仕事してますよ」ってな具合に。そんなこと言われてもねぇ。
 こんなこと感じるのは、自分だけなんでしょうか?無視しようにもその場にいる限り無視できない。かなり、やっかいなんだな、これが。