laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

あいさつ。

「ちゃんと、あいさつしなさい!」
 子どものころ、親や先生ら周りの大人たちから、しつこいほどそう言われて育ってきた。
 大人になって、子どもたちにそう言い聞かせてきた大人たち自身こそが、あいさつもろくにできない人たちなのだと分かった。
 「何だぁ、子どもにばかりがみがみ言うくせに、大人って口ばっか」
 ずっとそう感じてきた思いは変わることなく、自戒を込めて言えば、そう実感している。そんなふうに思われている大人たちは少なくない。いや、多いに違いない。周りを見てください。いるでしょ、そういう人たち。
 あいさつって、言われてするもんじゃないですよね、本当は。しかも、いい大人が。だから大人たちって、我が身を振り返らずに子どもたちに躾と称してあいさつを〝強要〟しているのかもしれないなぁ。単なる推測ですが。
 道ですれ違う人の表情や態度に接するたびに感じてきたことだが、近ごろ、海でそう感じている。
 波乗りを始めたころ、海で会うほかのサーファーに声掛けするのは当たり前のことだった。「おはよう」とか「波いい?」とか「寒いね」とか.....。言葉にあまり意味はない。その人を直接知っていようが知らないだろうが、同じ仲間としてのあいさつだ。多くのサーファーたちが、それを当たり前だと感じてきた。まっ、世の中いろんな人がいるので声を掛けても無視する人は必ずいるんですが。 時代は変わったのか。そもそも目を合わせないようにする人やけんか腰で睨みつけてくる輩が多い。ヤンキー風サーファーはむかしからの定番だけど、「知っている人としか付き合わない」みたいなとても閉鎖的なサーファーたちが、広々とした海で自然を楽しんでいる光景は、考えようによってはとても不自然な気がする。
 そんな時、今年3月まで4年間、海で顔を合わせていた秋田のサーファーたちを思い出す。 
 「よそから来たサーファー」の自分に、かなりウエルカムの状態で接してくれた彼ら。直接付き合った人たちもいたが、たいていの人たちは名前さえ知らない。でも、みんなあいさつを交わしていた。「いいよなぁ、こういうのって」。そう思いながら波乗りを楽しんでいたころがもはや懐かしい。 俗に言われるように、都会と田舎のような地域制の違いがこうしたところに現れてくるのかもしれない。携帯やパソコン、個人主義などの生活環境、価値観の変化も見落とせないだろう。
 でもね、思うんです。言葉にしなくたって会釈や笑顔だけだっていいじゃない。ちゃんとあいさつしようよ。
 むかしの人はこうも言ってました。
 「袖振り合うのも多生の縁」。
どこかで、つながっているかもしれないしね。