laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

可愛い子には旅をさせよ。

 海外に留学する日本の学生が減っている、という。18日付け河北新報朝刊くらし面に記事が載っていた。文科省の統計によれば、ピーク時の2004年に約8万3千人いた日本人留学生は、07年に7万5千人に減少。就職活動時期の早期化と若者の「内向き志向」が原因ではないかと指摘している。先の見えない経済状況の影響も少なくないと思われる。
 気になったので、法務省統計で、日本人の出国状況を調べてみた。同じ07年の出国数は前年比1.4㌫減の約1730万人。1998年からの10年間で増減を繰り返しているものの全体的に大きな変化はない。海外での滞在期間(07年)は5日以内が全体の過半数(58.9㌫)を占め、15日以内の旅行者が全体の88.9㌫。経済大国になった現代でも日本人にはまだまだ余裕が少ないことが数値の上から読み取ることができる。
 大学を長期休学し、海外に飛び立って〝遊学〟した身としては、特に若者には海外での生活経験を積むことを勧めたい。実際には、勇気を持って海外に行った知り合いたちはそれほど多くない。まぁ、人それぞれさまざまな事情があるのだろうが、「お金はないけど体力、気力、それに時間だけはたっぷりとある」若者にこそぜひとも一歩を踏み出してほしいと思っている。
 どうして、それほど海外にこだわる?
 そんな声が聞こえてきそうだが、明確な答えはありません。とにかく、異文化に入ってみろ!とだけ言いたい。入れば何かが見えてくる。経験からそう言える。
 今月14日から、「ふらっと」に「World Wide Blog」(世界のブログ)が新設された。書き手は、東北ゆかりの海外在住者たち。未知の世界からの情報発信が日々更新されている。興味のある方、まずはここから海外について知識を得るのはどうだろうか?旅行者ではない、生活者ならではの視点に立ったユニークなものの見方を知ることができる。ここを起点に海外に旅立つ人たちが今後現れることかもしれない。
 20歳で初めて海外に足を踏み入れた時、「どうしてもっと早く来なかったのか」と自問自答した経験から、娘にはことあるごとに「外に行きなさい」と言い聞かせているが、返答はいつもつれない。「やだ。行きたいとも思わないし、興味がない」。
 奔放に振舞った海外経験が生きてか、マイペースで自分本位、何事も臨機応変な性格の自分の親を見て、娘なりに思うこと、考えることがあるんだろう。
 若いころ、この事態だけは想定外だった。