laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

カエルの合唱。

 カエルの鳴き声が、好きだ。

 1匹や2匹のか細い鳴き声ではなく、広い田んぼの中で一斉に響き合うあの音量。春の田植えごろに始まった〝コーラスの序章〟は今、佳境に差し掛かりこれから1ヶ月、1ヵ月半ぐらいピークが続く。帰宅途中、あるいは家の網戸越しに聞こえてくるあの独特のだみ声のような可愛げのないつぶれ、しわがれた鳴き声が好きだ。

 落ち着くんです。蚊取り線香の匂いなんかが鼻を突けば、もう言うこと無し。これぞ夏、という感じなんです。

 だれにでも、いくつになっても郷愁を感じるものがあると思うが、自分にとって、カエルの合唱はそのひとつ。耳に心地よく響いてくるんです。慣れない人には、やかましくてしょうがない雑音にも聞こえるが、子どものころから当たり前の環境で育ったためだろう、癒しの音として耳にこだまする。

 住み慣れた仙台でも、ずいぶんと田んぼがなくなりカエルの鳴き声が少なくなったように思う。
 蛙→蝉→鈴虫→白鳥と、季語にも記される身近な動物たちの姿をまだまだ鳴き声で確認できるこの街は素敵だと思いつつ、徐々にその機会が減りつつあることに寂しさを覚える。