laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

接客。

 人気アニメ『トイストーリー3』を見に出かけた映画館で、3Dメガネを普段のメガネの上からかけたところ、鼻の上に針で突き刺さされたような痛みを感じた。鼻をおさえるパッドが片方取れていた。映画鑑賞を終えて、同じビル内にあったメガネ屋さんに駆け込んだ。
 待ってましたとばかり、女性の店員さんは「すぐに直りますから、そちらのいすでお待ちください」。満面の笑顔で椅子に案内してくれ、「2種類ございますが、どちらがよろしいですか? このメガネだと、今のより多少大きくなりますが、シリコンのほうがいいと思いますが」
 異存はありません。「ハイ、それでよろしく」
 待つこと2、3分。「はい、出来上がりました」と、またまた素敵な笑顔で現れた彼女。
 「おいくらでしょうか?」
 「いえ、無料です」
 「えっ? いいんですか」
 「もちろん。サービスですので。またのお越しをお待ちしております」
 完全に直った愛用のメガネを手に気分良く家に帰った翌日、再び、その店を訪れた。
 「すみません。お尻で踏んづけてしまって、レンズが片方取れ、ナイロンが壊れてしまいました」
 ちょっとだけ寂しそうな表情を見せた前日の彼女は、瞬時に笑顔に戻り、「大丈夫、直りますよ。少々お待ちください」
 完璧に直ったメガネが手元に戻ってくるまでわずか数分。またしても彼女、「サービスです。大切にお使いくださいね」
 必要でもなかったが、こういう接客を受けると、ついつい太っ腹になってしまう。娘にあれこれ相談しながら、15分ほどで適当なメガネを選んだ。価格もかなり手ごろでデザインが気に入った。彼女は、あれこれ新しいメガネについて説明してくれ、最後は「大切にお使いくださいね」の決め台詞。嫌味のないサービス精神に参ってしまった。

 「まだまだ捨てたもんじゃないなぁ」

 客との会話までマニュアルがないとできないような店員が増殖するサービス業のコンビニ化現象に半ば諦め、飽き飽きしていた昨今。
 帰り道、うれしくて一人にやにやしていた。

 ちなみに、お店は長町モールPart2の眼鏡屋さん。彼女のことは、自身でお探しくださいませ。