laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

肝っ玉かあさん。

 マンションのベランダで、洗濯物を干していた婦人を見ていたら、突如、思い出した。

 幼いころの記憶なのに、鮮明に覚えている。それだけ、インパクトが大きかった。

 暑い夏のころだ。強い日差しが照りつける時間帯。長屋風の住宅街にそうしたおばちゃんたちはいた。1人ではない。2、3人はいた。

 長い丈のスカートを腰に巻きつけるように履き、上半身はブラジャー1枚。恥じらいなんて雰囲気は微塵もなく、圧倒的な生活感と生命力に満ちた雰囲気を強烈に醸し出しながら、よく庭で洗濯物を干していた。

 たいてい、下着がはちきれんばかりのがっちりとした体格のおばさんたちは、泰然とした態度で、何事にも動じないといったある種の優雅ささえ備わっていた。そんな〝ブラジャー一丁〟のおばさんたちは、夏の日の光景だった。

 さすがに、今どき、都市部でこんな光景は見かけない。それも時代の流れだよなぁ、などとベランダの婦人を見返しながら思う。

 確かに、自分の妻がそんな格好で家事に励んでいたら絶対に嫌だな。

 そう思いつつ、いたずらっ子だった自分が、昔で言うところの肝っ玉かあさんたちによく叱られながらもかわいがられていたことを思い出した。