laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

〝瞬間湯沸かし器〟。

 事の大小にかかわらず、とにかく何にでも腹を立て、いったん怒り始めたら最後、なかなか静まる気配を見せない大先輩がいた。

 幸いにも、直接仕事で関わったことがほとんどなかったので火の粉をかぶらずにすんだが、遠めに見ても「大人気ないよな」と感じることがあった。

 顔を真っ赤にしながら巨体を揺らす様から、「瞬間湯沸かし器」と陰口をたたかれていた先輩ではあったが、とても懐かしい。

 憤る理由にしばしば理不尽さはあったが、現代の冷めた感覚からくる、何事に対しても「大人気ないよな」で話を締めくくろうとする風潮のような空気感には依然として慣れない。

 どちらかと言えば、自分は湯沸かし器タイプだ。

 年を重ねるごとに多少丸みを帯びた性格も、時に「タンパラ」ぶりを見せてしまう。怒る時には徹底して怒るという基本線が変わっていないからだ。こちらが怒っている時、妙に周りが引いていく気配を感じることも多くなった。

 もしかしたら、若い時分に先輩を見ていたのと同じ思いの視線で自分が見られているのかもしれないな。

 これはいかん!

 とは、思わない。

 しょうがねぇなぁ。勝手に言ってろ。

 反省も気持ちを入れ替えようとすることもなく、年を重ね続けている。

 「だから成長しないんだよ、あんたは!」

 そんな声がどこからか聞こえてきそうだけど、そんなこと知らない!