laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

映画私評 NO.5

 借りぐらしのアリエッティ
 
 ジブリ作品らしいきめ細かな美しい映像と幻想的な音楽.........と、ここまで書いて次が続かない。
 悪くはない。でも、手放しで褒めるほどの良い作品でもない。まあまあってとこ。何かが足りない。

 休日、小学6年生の娘と一緒に鑑賞した。映画館を出た娘も同じ感想だった。10分後、その娘は家のDVDで今見ている探偵スリラーのドラマを延々と説明し始めた。

 余韻が、続かないんですよ。

 前評判のわりには各方面で酷評されているとは聞いていたが、自分の目で確かめようと映画館に出向いた。酷評するほど出来が悪いわけではない。ジブリだけに、期待値が大きい分、評価する側の目が厳しいということかもしれない。

 メアリー・ノートン著『床下の小人たち』を原作に、宮崎駿が企画・脚本を担当し、米林宏昌が監督。舞台を1950年代のイギリスから現代の日本に移し、床下に住む14歳の小人少女アリエッティと〝床の上〟に住む人間の少年・翔との出会いから物語が展開し、別れまでを描く。

 まず、ストーリーが浅い。少年との出会いと交流、別れまでが一気に描かれ、深く感情移入できない。例えフィクションであっても、現実にリンクさせるための作品上の仕掛けが不足している。そして、音楽。ジブリ映画をこよなく愛し、音楽活動のインスピレーションを得てきたというケルトミュージシャンのセシル・コルベルを抜擢したのは話題性があるが、肝心のフレーズが耳に残らない。『となりのトトロ』にしろ『魔女の宅急便』にしろ、『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』、『崖の上のポニョ』にしろ、内容はほぼ忘れても主題歌だけは記憶に残った。それが、アリエッティでは全くない。「あ〜なんかいい音色だったなぁ」くらいの印象なのだ。自分の年のせいもあるのかなぁ。とにかく、この2点がとても物足りなく、上記の印象になった次第である。

 みなさん、どうでしたか?