laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

自転車を巡る懸案。

 このところの自転車通勤で気になっていることがある。

 以前にも書いたが、仙台ではまだまだ、自転車が歩行者道を通行しているケースが大半を占めているということだ。中心街では、広めのスペースを取った歩行者・自転車道もあるが、ほとんどの道はその区別がない。車道にしても、自転車が走るにはあまりに車用スペースが広いため、自転車運転者にとっては冷や汗モノというケースがかなり多い。

 こういう状況なので、結局、歩行者と自転車が狭い歩道で混在してしまう状況が当たり前になっている。これは、危ない。いつ事故が起きても不思議ではない状況が目の前にある。最悪の事故が起きなければ、歩行者にも自転車にも優しい道路整備が本格的に行われることはないのだろうかとさえ思っている。

 21日付け毎日新聞朝刊の1面トップ記事「自転車側に高額賠償 歩行者との事故過失相殺認めず」を読み、あらためて考えさせられた。記事は「自転車の車道走行ルールを厳格化するため道路交通法が改正された07年以降、自転車で歩行者をはねて死亡させたり重傷を負わせた場合、民事訴訟で数百万〜5000万円超の高額賠償を命じる判決が相次いでいる」と報告し、「高額賠償判決がさらに広がるのは必至の情勢となる一方、車道走行ルールが浸透していない現状もあり、今後議論を呼びそうだ」と指摘している。

 自転車走行の明確なルールが整備されず歩行者と自転車のスペースが明確に線引きされていない状況で、健康、エコ志向などで自転車利用者が増加するとともに自転車の性能がアップしている。事故の確率は上がっているのだと思う。

 自分自身、危うくほかの自転車や歩行者と接触しそうになった経験は数限りなくある。事故が避けられているのは、おそらく、あまりスピードを出さずに余裕を持って運転しているからだと思う。そうとはいえ、事故に遭わない可能性が無いとは決して言い切れない。

 毎日新聞は、翌日の22日朝刊で続報として、認知度が低い自転車保険の問題を取り上げている。いわく、「自転車が保険未加入のため被害者に賠償が及ばないケースも生じており、保険における安全網構築の重要性が改めて浮かんでいる」。車やオートバイでは強制加入させられる自賠責保険は、自転車には適用されておらず、損害保険各社は今年3月までに「自転車総合保険」の販売を中止していたという。

 自転車事故の加害者になった場合も被害者になった場合も、最悪の場合、泣き寝入りするしかない事態に陥る可能性が高いということだ。

 さぁ、困った。中国ほどの自転車社会ではないものの、サイクリング志向が高まっている中、他人事では済まされない時代になってきている。