laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

映画私評 NO.7

ベスト・キッド
 
 難しく考える必要は何も無い。素直に楽しめるエンターテインメント作品。子どもと一緒に観れば、なおのこと楽しめる。「あ〜すっきり。良かった、良かった。面白かった。ねぇ?」。娘と笑いながら劇場を後にした。

 アメリカの少年が達人の日系人に教えてもらった空手を通じて成長するストーリーを描いた「ベスト・キッド」(1984年)のリメイク版で、空手をカンフーに置き換えた。父をなくした少年ドレが、北京に職を得た母と移住。カルチャーショックを受ける間もなく、通い始めた学校でカンフーを操る少年たちのいじめにあい、ふさぎ込む毎日が続く。そんな時、いじめられていた所をカンフーの達人であるアパートの管理人ハンに助けられる。自分を守るために使うことを条件にハンからカンフーを学ぶドレが、次第に成長し..........。

 っと、骨格は旧作と同じ。大きく違うのは、師匠と弟子を演じる2人の“豪華な俳優”たち。主人公ドレ役を、米アカデミー受賞俳優ウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスが、ハン役を、いわずと知れたジャッキー・チェーンがそれぞれ演じ、見事なまでに役をこなしている。この映画のため、猛特訓を積んだというジェイデンの演技はもちろん、うらぶれたオヤジ役に徹したジャッキーの演技が光った。

 「辛い現実から目をそむけるのか、それともそれに立ち向かい這い上がるのか」

 とっても分かりやすくてありきたりなメッセージなのだが、だからこそ、ストレートに響いてくる。実際、「そんな簡単なわけないでしょ」っと突っ込みを入れたくはなるけど、娘の手前、それは控えました。そんな意味からも、子ども同伴お薦めですよ。

 ただ、ひとつだけ注文です。ドレだけではなく、ハンも辛い過去を背負っていたという話が、隠し玉としては完全に機能していない。亡くなったドレの父親に同様の悲劇の物語があればうまく結びつくのになぁ、と思った。娘にそれを話したら叱られました。

 「はいはい、分かったから。それが無くても面白いし、いいジャン!」

 確かに、そうなのだ。

 リメイク版も続編が出る予感がする。

 監督はハラルド・スワルト。