laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

言葉の綾。

 表現の場が新聞紙上からネット上のブログへと変わったが、大げさに言えば「言葉を操る」仕事に携わり続けている。

 4月から、ここ「ふらっと」でブログを書き始め、早5ヶ月ほどになり、新聞記者時代とは違った戸惑いを覚える時が少なからずある。自分の書いた文章へのダイレクトな反応を促す「コメント」のシステムは、新聞にはないネット特有の双方向性機能の強みの半面、使い方次第で意図せぬ方向に引っ張られる危険性も孕んでいるのだな、と思うのです。

 手軽さゆえの危険とでも言えばいいのかな。書き手と受け手の意見の齟齬が、時折見られる。手紙のような当事者同士の関係性にとどまらず、見知らぬ人たちが見知らぬ場所でひしめいているネットという空間で公開されているので、考えれば考えるほど不気味に思えてくる時があるのだ。

 まぁ、全体的には楽しく興味深い世界なので、仕事とはいえ必要以上に積極的に関わり続けてはいますが、会員さんのブログへのこちらからのコメントが、言葉が足りずに誤解を生んでいるのではないかと思うケースがたまにあるんですね。

 いわゆる、言葉の綾、なんです。

 ネットでは、書き手の感情などを表現するのに便利な絵文字まで文字として当たり前のように混ざっているので、厳密に文字だけで表現してきた身としてはそれらの応用が難しい。文字だけだと、「怒ってますか?」なんてこちらが思っていないことを指摘されたりすることもあるので、時々戸惑います。

 気になる事が、最近あったんです。

 知り合いになった新規の会員さんが、気付いたら、突然退会していたのです。わりと頻繁にコメントをもらい、こちらからも相手のブログにコメントしていたのですが、特段の問題はなかった。少なくとも、そう思っていた。気になって自分が書いたコメントなどを読み返してみたら、1ヶ所だけ、ひっかる文章があった。

 「今度、一緒に海に行きましょう!」という一文だ。日時を明記したり、相手の真意を確かめるなど本気で誘ったわけでもない、挨拶程度の一文だったのだが、おそらく、こちらの思いとは裏腹に、相手にとっては言い過ぎの言葉として響いたのかもしれない。いまや本人に確かめる方法は全くないので、確証はとれないが。

 残念だな、と思う。もう少し考えてから言葉を書けばよかったのか、とも思う。だが半面、仕方がない、とも思う。

 せめて、退会の理由を知りたいな。