laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

優し、すぎる。

 スペインで先日行われたサッカーのクラシコ戦「バルサVSレアルマドリッド」について、世界のブロガー・中田佳代子さんが書いていたブログを興味深く読んだ。http://flat.kahoku.co.jp/u/flamenco/aI8gBXT4LGjHWlm0wC5N/

 歴史が違う、と言われればそれまで。でも、たかだかサッカーの試合で、街全体がこれほどまでに熱狂してしまう文化に驚き、同時に、かなり嫉妬のような羨みを感じた。

 サッカーとプロ野球、バスケットボールのプロスポーツ3球団がある仙台にいても、試合会場以外でスポーツの熱気をあまり感じることがないのはどうしたことか。ちょっと寂しく思っているからでもある。

 中田さんのブログによると、5−0で大勝したバルサのサポーターであるバルセロナ市民は、試合当日の朝、青と赤の縦模様のバルサのユニフォームを着て仕事をこなし、大いに盛り上がったという。負けたレアルマドリッドのサポーターたちは、選手たちが帰路についたバルセロナの空港で、「恥を知れ〜」と罵声を浴びせたというから、喜びと悲しみ、怒りのさまざまな感情が一気に爆発したのだろう。

 とても、人間くさい。中田さんは「そこまでするか。。。と思ってしまいます。」と書いているが、悲しみと怒りを素直に表現した「マドリディスタ」(レアルマドリッドのサポーター)の反応に好感を持つ。

 監督や選手、チームを褒めることにはとても寛容だけど、批判することに狭量な感がある、仙台のスポーツファン。スペイン人の感覚なら、「自分たちのチームが負けたのに、その涼しい顔は一体何だ?怒りをどうして表に出さない?」ということになるのだろう。

 優しさだけでは人が育たないように、ねぎらいのような優しい言葉だけではチームは育たない。そう、勝手に思っている。

 特段熱狂的なスポーツファンでもない自分は、いつの日か、仙台のスポーツファンの方々がこうした思いになるのだろうか?と考えることがある。

 プロ野球東北楽天の新しいヘッド兼打撃コーチに就任した、元ダイエー(現ソフトバンク)監督の田淵幸一氏が、河北新報朝刊(11月3日)の記事でこう話していた。

 「選手時代は甲子園のやじで、うまくなった。負け続けたら『何やっている。もっと練習せい』と叱咤(しった)激励してもらいたい。監督を怒らせるほどの、いきのいいファンがいてほしい」

 野次や罵声、批判や嘲笑.........っといった感情の発露は、見た目、決してきれいではない。正直なだけだ。愛憎相反する感情が入り乱れることの人間くささが応援する側に染み付かない限り、在仙のプロスポーツは、いつまでたっても余暇の延長にある観賞の対象でしかないのだろう。