laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

Vol.180 多読のすすめ。

 こういう業界にいるから当たり前なのだが、新聞は複数紙読んでいる。

 記者として現場にいたころは、自分が取材で関わっている話に対する他紙の扱いが大きな関心だったが、それ以外のニュースに関しても広く目を通していた。今は興味ある話を複数紙で読み比べている。

 よっぽどの新聞好きか、仕事に関連でもしていない限り、たいていの家庭では購読新聞は1紙だと思う。新聞そのものを購読しない傾向が強くなっているので、それすら形骸化しつつあるのだが。(^_^;)

 長い期間、同じ新聞だけを読むことで、読み手の思想や考え方に及ぼす影響があると思う。実際、同じ話題であっても、表現の仕方や視点の違いによって、それぞれの新聞ごとの特徴や印象を読み手に与える。

 この〝編集の特徴〟をつかむことが、複数紙を読む楽しみでもある。同じ話題に関して、1紙だけの記事では、よほどインパクトのある内容でない限り流してしまいがちだが、2紙3紙と比較すると、考えるきっかけにはなる。こうした新聞の多読は、読み慣れ、比較するコツをつかむと奥が深く、楽しい。

 賛否両論あるものの、記者クラブ制度がある日本のマスコミは、そのため同じような話題が同じようなタイミングで同じような視点から報じられることが多い。それでも新聞各紙には、それぞれの編集の特徴がある。それを読み解くようになれば、多角的アプローチから物事を考えるようになると思う。

 テレビやラジオは、一方的に耳に入ってくるものだが、新聞は、自分の目で字を追い、頭の中で内容を咀嚼(そしゃく)しながら考えることを求められる。だからこそ、面白い、と思うのだ。その賛否は問いません。人それぞれですから。

 そこで、言いたいことは、1紙だけではなくなるべく多くの種類の新聞や雑誌を読みましょう、ということ。もちろん、本もそうですが。1つの意見だけで物事を判断する危険があるように、1紙だけでニュースを判断するのはあまり賢明ではない。多読を薦める理由がそこにある。

 立場的には、家で購読していただければいいんですが(^O^)、それが無理なら、喫茶店でも図書館など公共施設でもどこにでも置いてある複数の新聞を比較しながら読むことを、ぜひとも試していただきたい。右だとか左だとか保守とか革新とか〝難しい〟ことを言う前に、新聞の多読で頭の体操をしませんか?