laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

携帯嫌い。

 別に英語にすることでもないんですが、最近知ったのでここで披露。「そんな単語、知ってるよ。今さら言うな!」とは言わないで。

 cell-phone refusenik。

 携帯電話(の使用)を拒む人、という英単語。アメリカでは、国民の15パーセントを占めるという。この言葉を知り、大学時代から付き合いのあるサーファーの先輩を思い出した。

 自分より4歳年上の先輩は、これまで一度も携帯電話を所有したことがない。一気に普及した15年ほど前、持たない理由を尋ねたところ、「だって、面倒でしょ」という回答だったと記憶している。以来、どうして?とは聞かずじまいに現在に至っているが、このデジタル社会の中で、携帯電話を持たずに快適に暮らしている実例だ。

 特異な人ではあるが、パソコンは人より早い時期に使い始めていたから、新しい技術を何が何でも受け入れないという偏屈な人ではない。

 台風が日本列島を北上してくるようなタイミングで、決まって卓上電話で連絡を取り合う間柄。携帯があれば、確かにもっと便利なのだろうが、なくとも特段不便ではない。

 ここ1年ぐらいは、先輩がPCから俺の携帯にメールをくれることもあるけど、互いにメールへの反応はほとんど適当で、気分次第で返事を返し合っている。「台風通過、グッドウエーブ到着」なんていうサーファー的な緊急時にも、卓上電話でやり取りしてます。

 最近では、結構、それが新鮮に思える。

 携帯電話の普及で、日常の便利さは増したが、いらないメールのやり取りや無駄話、効率化一方の業務など、アナログの時代にはなかった余計な負担が増えた。コミュニケーションツールによるリアルなコミュニケーションの消失というかなり奇妙な現象も顕在化している。

 実はこの先輩、大の話し好き。卓上電話では長々話したことは一度もないが、会えば延々と話し続けている。携帯嫌いの大きな理由は、面と向かっての言葉のやり取りのほうを強く好んでいるからなのかもしれない。

 それに、便利さの代償を理解、見通している人なんだろうな、と勝手に思い込んでいる。