laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

Smile。

 
2ヶ月前の「映画私評 No.8」
http://flat.kahoku.co.jp/u/aihara/txhg6C3oW7URkG4OwSzB
で取り上げた『食べて、祈って、恋をして』の原作、『EAT PRAY LOVE』(Elizabeth Gilbert)を少しずつ読み進めている。

 主人公のリズは、旅の最終目的地バリ島に到着。ストリーは最終章へと入った。そこで、気になった一文があった。

 「バリ島では、美が崇拝される。美は安全なものだ。子どもたちは、あらゆる困難や不快な事に対処する術として“輝ける顔”、つまりこぼれんばかりの笑顔をみにつけることを教えられる」

 ヒンドゥー教の教え、だという。

 バリ島には、幾度も行っている。あのこぼれんばかりの笑顔には馴染みがあった。ただ、そういう理由が笑顔の奥にあったとは知らなかった。

 記憶する限り、たまに不機嫌なバリニーズを見かける以外、確かに、バリ島ではたいていの地元の人たちから満面の笑みを投げ掛けられる。微笑みとは不思議なもので、こうおおっぴらにやられると、決して嫌な気がしない。それどころか、気分がとてもいい。もちろん、観光客という大らかな気分がこちら側にあるにしても、微笑みひとつが、その場を照らし、空気を和ませ、明るい気分にしてくれる。

 微笑みは、マジックだ。

 翻って、世界の中でも無表情の代名詞的にいわれることが多い我ら日本人。日常生活を見渡しても、笑いが交わされるのは、たいてい知っている者同士の場合が多く、心を許さない相手には、決して微笑みを投げ掛けることすらしないのが常。街中を笑いながら歩いていたりしたら、それこそ変人か狂人とも思われかねない。それをクールと見るか、閉鎖的と見るかは価値観の違いだろうが、日常的に笑いがあふれていることのほうがはるかに楽しいには違いない。

 接客業のプロは、日々、微笑むことを訓練している。練習すれば、ある程度の笑いって、できるんですね。

 とかく他人に対してあれこれ言っている我が身を振り返り、ちょっぴり改心。もっと笑いを心掛けよう、と。

 目にする相手の顔の表情は、自分の表情の裏返しでもある。誰かがどこかでそんなことを言っていた。

 新年を迎えるにあたり、2011年の個人的テーマは「Smile」でいこうかと思う。

 相変わらず、お気楽なんですが。