laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

「はぁ?何ですか、この制度。」

 7日の朝日新聞朝刊第2社会面に掲載され、HPでは「佐賀大、サークルコンパ届け出制に 一気飲みなし念書も」のタイトルで出た記事(http://www.asahi.com/national/update/0105/SEB201101050056.html)を見て、そう思った。

 地元の佐賀新聞は、12月末に既報。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1794085.article.html

 佐賀大(佐賀市)が、コンパなどの飲酒を伴う会合を開くクラブやサークルに対し、「一気飲みを強要しない」などの誓約書を事前に届け出る制度を始めた、という。(朝日新聞は、「方針を決めた」としている)

 同大ラグビー部の1年生男子(当時19歳)が、昨年3月の卒業生送別会で飲酒した後に死亡した事故を受けた措置で、同大学生生活課は「取り締まるわけではなく、飲酒事故防止に向けた注意喚起の一手段」(佐賀新聞)と説明しているという。

 どうして、こうした措置を取ろうと考えるのだろう。大学側は、学生たちに対し、「節度ある態度で飲酒しなさい」と呼び掛けるだけでは不十分なのか。死亡事故による外部からの評判だの目だのを意識しすぎた大学側の対応なのではないか。

 乱暴な言い方をすれば、こうした制度を新設したからといって、学生たちの暴飲が根絶されるとは思わない。素直に届け出る向きもあろうが、届け出を無視され、制度自体が形骸化する恐れが強いのでは。

 制度をつくった大学側は、今後、同じような事故が発生した場合、誓約書をたてに、「学生たちは大学に一気飲みしないと誓ったのにそれを行った。大学側は事前に注意したのに、それができなかったのだから、責任は学生にある」というような、責任逃れのアリバイにも使える。「大学として、考えうる措置は十分に講じた」というコメント付きで。

 そもそも、大学側が、学生の飲酒(大学キャンパス外での)についてとやかく指導する必要があるのか。今回の、全国的にも異例だという“学生飲み会事前届出制度”の背景には、事故後、「大学は一体何をやっているのだ」とか「きちんと指導しなくてはいけないだろう」といった、とても勘違いな内外部からのお叱りの声があったと推測する。

 こうした制度を発想する底流には、「クレーマー」と「硬直した管理社会」といった何ともしがたい“現代病”があると思うのだ。

 「ちょっと違うんじゃないですか、こういうの」という真っ当な学生たちからの批判的反応はないのだろうか?