laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

映画私評 No.11

 この作品を、映画館で鑑賞する機会が巡ってこようとは、全くの想定外だった。

 『エル・トポ』。

 1970年に製作された、伝説的なカルトムービー。製作40周年デジタルリマスター版が、昨年9月から全国各地で順次公開されており、ついに本日5日、「フォーラム仙台」にやってきた。



 今から25年ほど前、ビデオで初めて見た時、文字通り、“ぶっ飛んだ”。神秘主義や無常感漂う常識を超えた“フリークスの世界”が、あまりに衝撃的だった。ドラッグカルチャー全盛のアメリカで、一部の著名人たちに絶賛され、ジョン・レノンが興行権を買い取ったことでも話題になった。

 スクリーンで再会した往年の名作は................。

 やはり、結構、忘れているもんですね〜。「あぁ、こんなだったっけ?」と思うこと多々。若い時に見て感じた衝撃は、さすがにあまり感じなかった。半面、何かおかしくて笑いそうにさえなった。

 そこで、思った。これは、イエスキリストをモチーフにした、ホラー映画という名のパロディーなのではないか?と。難しく解釈すればできそうだけど、何となく、それ自体が“罠”のような気もするし。

 スペイン語で「モグラ」を意味する主人公のガンマン、エル・トポは「俺は神だ」と言って、最強を模索する旅に出る。4人のガンマンと戦う宿命を背負い、卑劣でせこい手を使いながらも相手を殺し戦いに勝っていく。その過程で現実とあの世的世界が交差する“妄想”がない交ぜになり........。

 っと、こういうカルトムービーは、あらすじを書くことさえ容易じゃない。とにかく、超現実の世界観がちりばめられた作品なんです(^_^;)。

 盲目の象徴モグラは、神の光に盲目な人々を揶揄していわれることもあるという。盲目的に光を求めていった先にあるものは、闇っということか。かなり、強引な解釈ではあるんですが。

 監督は、チリ出身のロシア系ユダヤ人、アレハンドロ・ホドロフスキー。主演を自ら演じ、息子役に実の息子を起用。フォーラム仙台では、11日まで上映。12日からは、エル・トポの続編ともいうべき『ホーリー・マウンテン』が控える。(18日まで)。どちらも必見!!。

 ただし、見る“覚悟”が必要です(^_^;)。