laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

感動、しました。

 どんな言葉よりも、無言の行動が人を大いに励まし、踏みとどまったままの歩みを少しでも後押しすることがある。

 前夜、大阪・長居陸上競技場で行われたサッカー日本代表VSJリーグ選抜の慈善試合をテレビ観戦し、そんな事を思った。どのくらいの数の被災者が勇気をもらったことか。少なくとも自分は、素直に感動した。

 慈善試合とはいえ、両チームの選手たちは全力でボールを追い、ゴールに向かった。後半の途中出場で見事なゴールを決めたのが、現役最年長45歳のカズとは。あまりに出来過ぎの展開だったが、食らいつくことの意味のようなものを純粋に感じさせられた。

 津波という自然に、多くの人たちは負けた。一旦は。それでも、それですべてが終わったわけではない。困難は常に、克服されるべき、乗り越えていくべきものだということを、フィールドで戦う選手たちの全力プレーから感じさせられた。

 それにしても、こんなビッグイベントを、震災後半月足らずで実施してしまうところが凄いと思う。国内の選手たちはJリーグ中断期間ながら、試合をこなしている海外組が続々と集まった。この団結力。この俊敏さ。この感度の良さ.........。同じプロスポーツでも、自分たちの利益の事ばかりを考え、開幕時期で二転三転あった国内最大のプロスポーツ集団とは雲泥の差ではないか。

 プロのスポーツ選手が持つ影響力は、各自にその自覚があろうとなかろうと間違いなく大きい。それを最大限生かした今回の慈善試合の意味は小さくない。これより先、震災に心を痛めたJリーガーたちは、街頭募金や被災地慰問、避難所の子どもたちとサッカーなど、それぞれに支援の活動をやってきた。多額のお金の寄付はもちろん大事で貴重だが、あこがれのプロスポーツ選手が“手で触れられる位置”で行動するインパクは選手自身の想像以上に強いはずだ。

 売名行為だ、偽善の行動だ、と言う人たちがいるかもしれない。もしかしたら、そういう側面もあるのかもしれない。

 でも、でも、俺ら凡人にはできないことを彼ら、彼女らは行動で示すことができる。期待できる部分は少なくない。それで1人でも多くの被災者が勇気をもらい、感動し、1歩を踏み出すきっかけになったとしたら、素晴らしいことじゃないか。

  ありがとう、感動を。