laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

復興、復旧、再出発....。そして再現、繰り返し....。

 深刻な被害を受けた沿岸部に比べたら、仙台市中心部はほぼかすり傷程度の被災だった。ライフラインは大方復旧し、表面上、通常の日常生活に戻っている。少なくとも、自分の周りでは。

 わずかながらも被災し、現在のような環境に身を置き、今なお苦しい状況に直面している大勢の被災者たちの姿を垣間見続け、奇妙な違和感にとらわれている。

 震災後間もなく、パチンコ店が開店し、全国展開の大型スーパーが24時間営業を開始し、コンビニも段階的に24時間営業に移行している仙台市中心部。ガソリンスタンドでは、洗車サービスが再開され、ゴミ出しも通常体制に戻っている............。地域によって多少の違いはあるが、あらゆる営みが、震災前の状態に戻っている。

 みんなが当たり前のように享受していた便利な生活の復旧だ。

 ありがたい、とは思う。その一方で、電力不足や汚水処理場、焼却場の機能不全などの問題が現実的に残されている。

 節制や節約など、被災で強いられ、体験した〝慎ましやかな〟生活態度が、取り戻された便利さと引き換えに忘れ去られようとしていると感じるのだ(もっとも、「そうではない!自分は違う」とおっしゃる方々はいらっしゃるでしょうが(^_^;)

 自然に畏怖し、安全神話が崩れ、少なくとも、短期間ではあるが多くの人々は、不平不満を持ちながらも当たり前と考えていた、これまでの社会制度や体制生活様式などについてその在り方を疑った、はずではないのか?「価値観を変えるほど」という表現で例える体験談も数多く見聞きした。

 なのに.....。

 大震災発生からまだ1ヵ月と半月ほどしかたっていないが、早くも、復興、復旧が以前の暮らし、価値観の繰り返しになるのではないだろうかという漠然とした予感がある。

 それで、いいのだろうか?

 「いいのだ!」と断言できない自分がいる。