laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

No.310 「自立しろ!」ですか...全くおっしゃる通りなんですが(^_^;)。

特に東日本大震災以降、「頑張る」と言う言葉の吸引力が弱い。

 今、最も“つらい立場”に立たされているフレーズのひとつではないか。

 口にした途端、「何もかも失った被災者に向けて言うには、あまりにも無神経すぎる!」などと、お叱りを受ける場面に遭遇、あるいは広く見聞きしてきた。

 「確かにそうだな」と思うことしばしば、「でもね....」と言い淀みつつどこか腑に落ちない心持ちでもあった。

 凡人がそんなことを感じている時、芥川賞作家・丸山健二は、例の強面な風貌で、こう叫んでいた。

 「自立しろ!」

 近著『首輪をはずすとき』(駿河台出版社)で、さかんにそう書いている。



 なんと、大胆な。なんと、ストレートな。なんと、正直な....。

 まっ、丸山さんがそう言うのだから、そうなんだろう。

 −緊急出版、目覚めよ日本!−と、帯に書かれたこの本。丸山は、繰り返し自立の必要性を訴えている。被災者を“特別視”するのではなく、彼ら彼女らを含めた日本人全員に対して。

 引用したい文章は多数あるが、主だったところを少し。

 「日本人の大方の実態はというと、(中略)強い相手に闇雲に従う、権力と権威に一も二もなく屈してしまうという、野蛮で、原始的で、動物的で、非理性的な、事大主義に毒されてしまっています。これは主義などという範疇にも属さない、滑稽なまでに憐れな習性にすぎません。自分を持っていないことで、自分を主張しないことで、それ一辺倒で生き延びようとするのは、卑劣で醜悪であるばかりではなく、ほとんど昆虫に近い生き方であって、永久に人間性の夜明けを迎えられない、恥辱的な欠点なのです。」

 「人は、人が思っているほど弱い生き物ではありません。弱さを簡単に認めてしまうことから弱さが際限なく深まってゆくのです。それだけのことなのです。」

 「企業は狡猾で、大衆は愚鈍です。」

 「原発の数は、愚かさと欲の深さに正比例しています。」

 ......と、まぁこんな感じ。

 そして、こう結ぶ。

 「首輪をはずすときです。今こそ、事大主義という名の首輪をはずすときなのです。」

 抜粋なので誤解を生む可能性大だけど、全体を通して正論だと思う。俺は、ね。

 ただ、当然のように、こんな硬派な意見の持ち主にスポットライトはあまり当てられない。むしろ、安全圏内に居ながら首都の頂で戯言を重ねている男のような輩たちが必要以上に注目され、持ち上げられる。そんな風潮が根強いお国柄って何なんだろう?

 確かに、丸山さんのような有言実行の人になるには、かなり自己を律した生活を送らなくてはいけない。

 例えるなら、仙人のように。(ちょっと大げさかもしれないが)

 そりゃ、辛い。

 つまるところ、凡人には、「分かっちゃいるけど......」なんですね、これが(^_^;)。