laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

No.360 足元を見る輩。

 困っている人たちのかたわらで、笑いが止まらない人々がいるのは世の常。

 被災地・東北も全く例外ではないらしい。

 復旧、復興の合言葉の下、さまざまな工事が各地で進められているが、需要が供給を大幅に上回っている状況をよいことに、価格を不当に吊り上げていると思われる事例を、最近、立て続けに耳にした。

 具体例1

 ボランティアで大工仕事をコツコツ時間をかけてやっているAさんは、先日から、津波被災住宅のリフォームに取り掛かり始めた。床をはがして泥出しをして、クロスを全面的に貼り替える作業。

 「被災者の方には心苦しいんだけど、いかんせん、材料費だけはいただくんですよ。ざっと10数万円ぐらい。工賃はボランティアだからいただきませんが、それでも、痛い出費ですよねぇ」

 そう話すAさん、思い出したようにこんな話をしていた。途中、語気が強まったのは、純粋な怒りからだと思う。

 「この方はまだ私に出会ったからよかったのかもしれない。聞けば、私に依頼する前、業者に見積もりを取ったそうなんです。その金額が信じられない額なんです。1000万円ですよ、1000万!。どんな緻密な作業か知らんけど、いくらなんでもそんなになるわけがない。高くたって数百万円がいいところ。全く、何を考えているのか、全く」

 具体例2

 アパートに住んでいる知り合いの夫婦は、地震で破損したアパートがいまだに完全修復していない、という。

 旦那さんが呆れた表情で言っていた。

 「壊れた水道管を直すのに、通常の3倍かかるんですよ、3倍。いくら職人が今絶対的に足りていない状況だからって、こりゃないでしょ。ひどすぎですよ」


 直接耳に入った例はこの2件だけど、同じような“便乗値上げ”は枚挙にいとまがないのだと思う。

 だって、関係者にとっては“「ここぞ」の儲け時”ですからね。

 震災直後も同じような便乗値上げがあった。品不足のガソリンやカセットコンロのガスに始まり、食料品までもが...。

 無償で支援の手を差し伸べる人がいるかと思えば、その状況を利用して人をだまそうとする人がいる。

 悲しいことだが、それが、現実だ。

 なんだか、嫌になってくるよね、こういう人たち。