laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

それぞれの道...。

 年度替りの春。出会いと別れが交錯する季節ですね。

 なんだか今年は特に、別れが多かった。

 定年前に会社を去っていってしまった方々が多かった。

 会えば言葉を交わすぐらいの間柄ではあったが...。

 会社を辞める理由は人それぞれ。

 終身雇用制度という〝この国特有のシステム〟は年々その骨組みが崩れつつあり、その有効性への疑問もあるのでことさら驚くことでもないのだが...。

 時折、思い出すことがある。

 入社2年目。内勤から初めて現場を回る駆け出し記者となってしばらく経ったころ、全く自信と元気を失ってしまった時期があった。今考えれば、ひよこにもなれずにいた未熟者が、一人前に自信と元気を失った気でいたのがとてもおこがましかったのだが...。

 そのころ、背広の内ポケットに辞表を持っていた。

 「この仕事、俺には全く向いていない。ダメだ、こんなんじゃ。やっていけない...」

 そんなことを悶々と考えながら仕事をしていた。

 もちろんレベルはかなり低いのだけど、自信喪失を自覚してしまった人間って、かなり精神的に脆いということを悟った。

 結果的にその時辞めずに会社務めを続けて今に至っている。

 なぜか?

 忍耐力の強さだとか意地だとかガッツだとか、そういうものではないのだと思う。

 突き詰めていくと、人なのかな?と思う。

 会社の同僚であったり、仕事で知り合った相手だったり、とにかく多くの人々と出会い、随分と励まされ、支えられ、元気をいただいてきた。

 そういうことが積み重なって、背中を押し続けてきてくれた。

 とはいえ、今後どうなるかは自分でさえ分からない。

 もしかしたら明日にも会社を辞めているかもしれないし...。

 東日本大震災を経験し、自分を含めて多くの人々が、よくよく先を見越せない現実が確実にあるのだということを強く自覚させられた。それまで頭の中でだけ理解していたことが、はっきりと目の前に突き付けられた。

 「想定外」だったことが「想定内」の枠内に入ってきた。

 辞めていってしまった方々に、気のきいた言葉ひとつ掛けられなかったワタクシ(^_^;)。

 なんだかちょっぴり寂しい気持ちだけが残っているけど、それもまた仕方のないことなのだろう。。。

 微妙にメランコリックな気分の春。