laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

懐かしの場所で...。

 震災のずっと前のことだから、かれこれ10年ぶりぐらいだろうか。折を見て、ちょくちょくチェックはしていた。震災後も何度か足を運んではいた。でも、入るタイミングを逸していた。

 周りはこんな感じ。↓写真中央右端は、今では有名な日和山





 そう、ここは名取市閖上地区なんです。津波で地区がほぼ壊滅してしまった土地です。

 この場所にはむかしからなじみがあり、幼い時何度か夏祭りに連れてこられ、中学生の時には自転車で釣りをしに来ていた。釣りの再現を大学生の時、デートでしてみたら見事にフラれた場所でもある。それよりなにより、波乗りを始めた時、波があればほぼ毎日のように通い続けた場所でもある。

 今では仙台新港が有名だが、名取川河口の右岸が護岸工事され、テトラポットで波がふさがれるまでは、新港に勝るとも劣らない上質の波が割れていた。

 そして、河口の左岸は通称「川向う」というポイントで、大きなうねりが届く時、サーファーが泣いて喜ぶようなとんでもない波を提供してくれる。


 その川向うに、今朝、波乗りをしに入った。

 口コミの情報で聞いていた通り、波乗りするには、震災後の障害もほとんどなく、っていうか、地形がいいように決まっていて、〝また新しいポイント追加で〜す〟って感じです。






 ↑川の流れに平行して設置されていたテトラは内陸側で流されたか埋まってしまったのか先端部分だけを残し、河口の間口が広がったため、波乗りするには以前よりポイントが増えたようだ。しかも、向こう岸までのパドル距離が以前の半分にも満たない距離で楽々スイスイ、あっという間に到着できた。

 写真では全く良くない波なんですが、いい波を乗った後に撮影したのであしからず。腰前後の、まぁまぁの波でしたよ。知り合いのサーファー君はここ数か月通い続けているそうで、「波が上がったら最高なんてもんじゃないよ。超ロングライド。インサイドまで行くと足がパンパンになるから、半端ないよ」って笑っていた。

 だろうなぁ。そうだろうなぁ。かつて何度も楽しませてもらったあのグッドウェーブが脳裏に蘇ってきた。

 忘れられない思い出もある。

 あの日も今日のような夏の晴天で、今日とは全く違く、頭オーバーのパーフェクトの波だった。しかも、確か、自分を含めて3、4人の夢のようなセッション。ほとほとくたびれるまで波乗りを堪能した。その日は夜勤だったので、昼に帰っていったん昼寝してから出勤しようと思っていたら、家に着くなり母が「あんた、会社から何度も電話あったよ! 仕事だったんだって?」と、半ばあきれていた。

 そうなのだ。夜勤は次の日で、その日は昼出勤だったのだ。すでにその時点で1時間遅刻。入社1年目の夏だった。

 その日の波乗りはもちろん感動的だったけど、続いての感動もあった。急いで会社に向かい、真っ黒に日焼けした顔で「すみませ〜ん、出勤シフトを勘違いしてました〜」って言って遅刻した俺に対して、「まっ、しょうがねぇなぁ。こんないい天気だからサーフィンでもしてたんだろ?これから気をつけろよ〜」てな具合に、定年間近の大先輩に笑いながら注意された。

 時代なんですかね。今考えても余裕があった、太っ腹な時代だったなぁ〜。

 そんな話の分かる大先輩方との出会いがあってか、ワタクシは今でも波乗りを続けている。


 さぁ、これから、川向うにやって来ることが増えそうだ。









 ↑河口付近の貞山堀は護岸改修が進められていた。