laid back

ほかから移ってきました。日々、思うところ感じるところを気ままにつらつらと。

映画私評 NO.8

 食べて、祈って、恋をして
 
 読んでから観るか、観てから読むか。

 映画を観る時、どちらにしようかと思い巡らす時がたまにある。今回は、読みたいし、観たい。そこで、観てから読むことにした。

 劇場で事前PRされて知ったこの作品。NY在住の作者エリザベス・ギルバートの原作『EAT PRAY LOVE』を映画化した。


 自伝的小説の映画は、結婚に疑問を抱いた女性ジャーナリストのリズが、離婚を決意し、1年間の心の休暇で外国に飛び立つ。イタリアで食に魅せられ、インドで瞑想にふけり、バリ島で運命的な恋に落ちる、というストーリー。ジュリア・ロバーツ演じるリズは、キャリア的、経済的に何不自由なく暮らす一方、心に不安を抱えている、都会で生活するいかにも典型的な現代女性を上手に体現している。

 映画を見る限り、離婚する大きな原因が良く分からない。意見の不一致なのだろうが、そのあたりがあっさりと描かれているため、リズを、結婚生活に理想と現実のギャップを感じ、結果的に〝男を捨て〟世界に旅立った我がまま身勝手な女性とも受け取ることができる。

 多くの女性が同じような悩みを抱えながらも現実的にはできない行動を、実際やってみせ、最後にハッピーエンドも用意しているという点が世界中の女性の共感を得ているのかもしれない。

 20年前、『プリティ・ウーマン』で一世を風靡したジュリア・ロバーツは、今や恋物語の大御所的女優。特段美人でもなく、肌はがさがさでしわが目立ち、やたらと口が大きいけど、演技は上手い。魅力的なんです、彼女は。自分の好みはジュリアより、恋人役フェリペを演じるスペイン人、ハビエル・バルデム。鼻にかかったなまりの強い低音ヴォイスと、いかにも好色、軟派で粘着質に見えながらも独特の男の色気を漂わせる彼の存在が、ジュリアの魅力を引き立てていると思う。

 3カ国で撮影された映像美に加え、それを引き立たせるサウンドトラックの選曲もいい。

 またまた、〝あまり深く考えないでサクッと楽しめる〟映画の紹介となりました(笑)

 監督は、ライアン・マーフィー。ブラッド・ピットが製作を指揮。